皇室に代々伝わる三種の神器(画像はWikipediaより。この画像をTシャツに印刷して売ったりしたらダメ、ゼッタイ!)。
皇位のしるしとなる非常に重要な宝物でありつつも、本質は「物質そのもの」にあるわけではなく、その継承が象徴するエートスこそが大事なのは言うまでもありません。
さて、国と命運を共にする重い存在であった三種の神器ですが、高度成長期になると、大多数の国民が「我が家にも〝三種の神器〟を!」と
を我先にと買い求め、随分と軽チャーな存在に。そこには実にスイスイスーダララッタなエートスが流れていたのでしょう。
上記が一通り行き渡ると「新・三種の神器」として
がバカ売れ。これらは頭文字から「3C」とも呼ばれ、なんともC調な空気にはどんなエートスが宿っていたのでしょう。ご用心ご用心。
寡聞にして存じませんでしたが、2000年代に売れていた
は「デジタル三種の神器」と呼ばれるそうですが、今や全部スマホに吸収されてしまい、データ化されたエートスは光ファイバーや電波の中を彷徨っているのでしょう。
さて、なんでも最近は前方後円墳まで商品として売り出されているそうですが、そこに埋葬される際、御鏡、御剣、御勾玉の三種の神器をオプションとして副葬できるそうです。
宣伝に乗り、次々と三種の神器と謳われる物質を買い求める事こそ人生として歩んで来た人には、実におあつらえ向きの終焉なのでしょうか。